どういう商品を開発中かは前にざっくりとお伝えしました。
さて、いよいよコピーを完成させていきます。
商品のよさを一言で言い表す難しさ
この記事でチラ見せしたアイデア出しメモを出しちゃいます。
赤字で書かれているのが、荒川さんに提出したときにチェックを入れられた分です。
(1)は書いている内容が、新商品のいいところではなく、
塗り絵のいいところを書き出しているだけになってしまっているとの指摘でした。
たしかに・・・。
とりあえずいいところを書き出してみようと思ったものの、
商品としてのいいところではなく、塗り絵全般のいいところになってしまっていました。
この商品だけに言えることをピンポイントで抜き出すのってなかなか難しいです。
(2)は新商品の特徴を書き出しただけなんですが、
やっぱりこの商品の持ち味はここよね、という感じで赤が入っています。
贈れる、というのがポイントなんですよね。
(3)は、ふと頭に浮かんだ四字熟語を書いたものです。
最初はユーザーの方の色塗りによって、イラストに命が吹き込まれるとか
塗ることがイラストの仕上げになるとか考えていて、
それを表す熟語があったじゃないかということで書き出してみました。
荒川さんにもこれだ!と言っていただけたので、これを軸にコピーを再度練り直すことになりました。
キャッチコピーでメーカーが伝えたいことと、ユーザーが知りたいこととにはギャップがある
画竜点睛はこの商品のコピーを考えるにあたってコンセプトとして思いついたものです。
最初は、「これ、来たんじゃないか」と思ったんですが、じっくり考えてみるうちに違和感を覚えはじめました。
そもそもこの商品は塗ってもよし、塗らなくてもよしが特徴の一つになっています。
塗らなくても一つの作品として完成しているのに、画竜点睛をコンセプトにするのは矛盾しているんじゃないか。
これをコピーに採用したとして、私たちが伝えたいことばかりが前に出てしまい、コピーを見た人の心には響かないのではないか。
そんな疑問が浮かぶようになってきました。
そして、コピーライター養成講座で何度も聞いた「ユーザーの方の立場になって考える」を実践したとき、
「やっぱり、これはないかな」と自分の中で結論が出ました。
いよいよ最終決定へ。決定したのはこれ!
最初に提出した分と合わせて、今回考えた分を提出しました。
・・・そう、この写真通りの形でです。
荒川さんに指摘されるまで、清書してから出さなくてはいけないことがすっかり頭から抜け落ちていました。
大学生の時に何度もレポートを清書して出していたのに、そのときの経験をどこかに落としてきたようです・・・。
で、上記の私の考えを荒川さんに説明し、それを汲んでいただき、
今回提出した中からいくつかピックアップしました。
それがこの4つです。
すっごくシンプルで、すっごく普通です(笑)
最終的に決まったのは、赤枠で囲われた
「塗ってたのしい、贈ってうれしい」
です。
この商品はあれこれ説明して飾り立てるより素朴に商品の良さを表すのが一番いいのではないかと思い、このコピーで決定となりました。
「たのしい」と「うれしい」はあえてひらがなにして、商品が持つ柔らかさや優しさを表現しました。
キャッチコピーというのは書いている段階では正解はなくて、商品が売れたコピーがはじめて正解と言えるそうです。
そう言われればそうですよね。
私がこめた思いはどこまでお客様に伝わるかはわかりませんが、
少しでも商品を手にとっていただけるようにして、商品とお客様を近づけられたらいいなと思っています。