24年ぶりの来日!ブリューゲルの「バベルの塔」を見てきました。in大阪 国立国際美術館 

東京都美術館で開催されていた「バベルの塔」展。
大阪でも中之島は国立国際美術館にて今月からスタートしたので行ってまいりました!
期間は7/18(火)〜10/15(日)!迷うくらいならぜひみなさんも観に行って欲しい!

平日の混雑状況は?おすすめは金曜日と土曜日の夜!?

JR福島駅から10分程まっすぐまっすぐ歩いたところに、国立国際美術館はあります。
となりには大阪市立科学館も。
私は地元民なので小学生の頃に来たことがありますが、実にその時ぶりかもしれません。
近くにあるのに行かないのはもったいないですね。
今回は入ってませんが、科学館の前には錯視の絵が飾られていました。
この絵、私が動けば動く不思議な絵です。

よく見たら絵に凹凸があるようなのですが、凹凸を認識できたりできなかったり…。
脳が処理しきれてない感じがすごく気持ち悪かったです(笑)

さて、いよいよ美術館へ。

ドアにはどーんとバベルの塔。なかなかの迫力です。

この日は金曜日の夜でしたが中に入ると人はまばらで、チケットは一切並ぶことなく購入できました。
花金ですもんね、みんなお酒飲みに行ってるか―。

「バベルの塔」展の入場料はこちら。

     一人   前売券・団体券
一 般  ¥1,500  ¥1,300
大学生  ¥1,200  ¥1,000
高校生  ¥600   ¥500

・団体は20名から
・中学生以下無料
・心身に障害のある方とその付添者1名は無料(要証明書)

でした。

期間中、金曜日と土曜日の夜は21時まで開館しています。
お仕事帰りに寄ってみるのはどうでしょう?
じっくり眺めても一時間半ほどで回れますよ。

美術品を鑑賞するには教養が必要だと痛感。音声ガイドを借りた方が楽しめるかも?

メインはヒエロニムス・ボスとブリューゲルなのですが、もちろんそれ以外にもたくさん絵画が展示されています。
序盤はキリストの磔刑や受胎告知、聖カタリナなど、キリスト教にまつわる絵画が多いです。
私はキリスト教について浅すぎる知識しかないので、絵画を見ても気の利いた感想が出てこず…。

言葉のわからない信者のために宗教画が発展したそうですが、当時の人たちは言葉がわからないなりにもその時代を生きた人間として絵を見ただけで察することができたのでしょうね。
ところが私のような恥ずかしながら宗教ノータッチの人間には、何の下地もないのでさっぱり伝わってこない。
これを補うには知識をつけるしかないということですね。

もしくは、手っ取り早いのが音声ガイドを借りることでしょうか。
520円を支払えば、声優の森川智之さんに案内してもらえますよ!
私は自分のペースで見たいので借りませんでしたが(笑)

かわいい?気持ち悪い?ヒエロニムス・ボスの描くモンスターたち。

ヒエロニムス・ボスの作品は初めて見るので、館内の説明書きを一生懸命読みながら観覧していました。
彼の作品には、足が生えた魚、頭と足しかない頭足人、樹木のような体を持つ樹木人間など、ユニークもユニークなモンスターが登場します。
中にはどういう意図を持って描かれたのかわからないものもあるとか…。
国語の文章題でも、「このときの作者の気持ちを考えなさい」という問題がありますが、その文章題の作品を書かれた方は「問題文にあるようなことは別に考えてないのになあ」ってことがあるみたいですね。
絵画についてもそれと同じことが起こってるのかもしれませんよね。
つまり本当に何も考えていないということもありうるのかも?
それはそれで楽しくて私は好きです(笑)

ヒエロニムス・ボスの作風を汲むブリューゲル。

ヒエロニムス・ボスは没後爆発的に人気が出た時期があったようです。
実際に、館内にも模倣作品がいくつも展示されていました。
ブリューゲルもヒエロニムス・ボスに影響を受けた画家の一人だったようで、奇っ怪なモンスターを描いた作品にそれを感じ取れます。
特に注目されているのが『大きな魚は小さな魚を食う』です。
意味としては弱肉強食が近いようですね。
陸に揚げられた大魚が飲み込んだ、たくさんの小魚が口から溢れ出ています。
さらに、その小魚もまた小さな魚を飲み込んでいます。
でも、その大魚は人間にお腹を捌かれています。
大魚にとっての「大きな魚」は人間だったということでしょうか。

よく見てみると、その後ろで一人すたこらさっさと魚をくわえて立ち去る魚人間が。
漁夫の利というか、なんというか(笑)

実はそのちゃっかりさん、展示会のマスコットになっています。
名はタラ夫。名字はフグ田…ではないようです。
原画にはないすね毛が付け足されています。汚い(笑)

でもおとぼけ顔はかわいい。

展示会場内は撮影禁止ですが、このタラ夫がいるお土産売り場は撮影OKです。

トリをつとめるのは主役の「バベルの塔」。圧巻です。

さて、一番最後に待ち構えるのは今回の目玉、「バベルの塔」。
バベルの塔とは、旧約聖書に登場する巨大な塔です。
同じ言葉を持ち、皆で天まで届く巨大な塔を建てはじめた人々。
それを見た神はこれ以上塔を作らせないように、彼らの言葉を通じないようにさせた上、世界の各地に散らせてしまいました。
ついには塔が完成されることがなかったということです。

バベルの塔はブリューゲル以外にもたくさん描かれて来たようですが、ブリューゲルの描き方のスケール感は随一のもののようです。
また、ブリューゲル自身も3度バベルの塔を描いているそうですが、今回来日したものはそのうちの一つです。
大変描き込みが細かく、人物の描写に至っては3mmにも満たない大きさです。
それなのに、塔を建設する人々の営みがありありと伝わってきます。
塔の下層の煉瓦がすっかり色あせ、上層の煉瓦は赤々としているところに積み重なった年月の長さを感じました。
こちらは展示会場最後の撮影OKスポットに置かれていたパネル。
東京と大阪での開催ということで、比較対象には東京タワーと通天閣が。
高さのみならず、外周も相当な大きさです。

もっとゆっくり見たかったんですが、次の方が待っているのでそこそこで退散しました。

お土産も充実。大友克洋とのコラボグッズも。

『AKIRA』で知られる大友克洋さんが、バベルの塔の内部を描いた『INSIDE BABEL』。
こちらは展示会場に入る前に見ることができます。

ブリューゲルが塔の内部を描いたなら、というコンセプトで大友さんの独自の解釈を加えながら書かれた作品のようです。

その他にも、モンスターたちをグッズ化した商品が売場にはたくさんあります。
奇妙で気味の悪いモンスターたちなのですが、グッズになるとなんかかわいいかも…?

ということで記念に買っちゃいました。
バベルの塔のクリアファイルとハンカチ、タラ夫の元になったモンスターとなんか鳥っぽいモンスターのポストカード。
特にハンカチは今治産で生地がしっかりしてるのに550円。これは安い。

そんな感じの「バベルの塔」展でした。
面白かったのでおすすめします!
一つアドバイスするとしたら、大変細かい絵が多いので単眼鏡や双眼鏡があると2倍3倍楽しめそうですよ。
私が実際に購入した単眼鏡のレビュー記事はこちら。