誰の財布からお金を出してもらうのか

お金の話はみんな好きなのに、
自分が決める側になると迷っちゃうんですよね。

B to Cと分類されているビジネスはとてもわかりやすく、
エンドユーザーは一般消費者。
自分たちが意思決定をして、
財布からお金を出して購入するわけです。
小売店で実際にお金を払うのが最もわかりやすいですが、
クレカだろうが振込だろうが、根本は同じ。

ここの意思決定プロセスに様々な障壁がはいると
その行動を取るのが億劫になってしまいます。
登録項目がやたら多いECサイトなど。
逆に、クレジットカードを登録してしまうAmazonとか楽天、
月額の使用料は自動引落される携帯電話料金など
意識していないうちに、もしくは意識がとても薄いうちに
決済が終わってしまうサービスは
障壁を低くして業績を伸ばしているということです。
モラルの問題はさておき、上手な手法と言えます。

さて、
難しいのはB to B 。
特に形のない、価格の決まっていないものを売る場合、
誰の財布から、どのようにお金を出してもらうのか、
わかりやすくイメージ付けておかないと
とたんに胡散臭くなってしまいます。

良い条件の仕事や情報を集めて
すごくクライアントの購入意欲が上がっていたとしても、
このクロージングを確実に行わないと
忙しいばっかりでいつまでたっても売上が上がらないなどということも。

士業にはそれぞれ業界団体があり、
およその価格も決まっているのでまだわかりやすいですが、
デザインの世界やコンサルの世界では
はじめここで苦労する方がとても多いように見受けられます。

「デザイン費なんてやってみないと時間の掛かり方もわからないし、
見積もりは出せない」
こんな言葉を、独立してすぐのデザイナーからは良く聞きます。
じゃあどうやって発注したらいいの?となっていくうちに
関係がこじれて話が流れるというのが定番の流れです。
うーむ、デザイン事務所の営業って大事なんだなと
あらためて感じることが多いです。

私の場合、シンプルにデザインの案件をいただく時はワンプライス。
それで高いというお客様には他のデザイナーを紹介するようにしています。
ミスマッチは未然に防いだほうがお互いの時間の節約にもなります。
それでも、「こんな契約にしておけばよかった」というような
失敗もまだまだありますし、日々試行錯誤を続けています。

こればっかりはそれぞれの業種に合わせて試行錯誤、ですね。
似たような立場の人や会社を見つけて見積もりを取ってみたりすると
参考になるかもしれません。

クリエイターを自称する方は忌み嫌う作業かもしれませんが、
社会と関わることが仕事であり、
多くの人を喜ばせた結果がお金だと考えると
見積もりを出すということや、価格表を決めるということは
「自分はこれだけの喜びを提供する」という宣言と捉えて
前向きに検討してみてはどうでしょう?

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株式会社ロンド工房 クリエイティブディレクター。商品の企画、製造、営業を行っている。てちょけん会長、ステラボP、K3事務局長など。