印刷機の売り文句が全く業界人以外には響かないのだけど、結局それは業界人にも響いてないと思う

昨日のエントリでIndigoについて書きましたが、

調べていくうちにいろいろ思うことがあったので改めて。

印刷業の知識はそこまで深くはないのですが、

それでもいつも思う、特に機械メーカーに対する不満。

スペック売りじゃなくて

「何ができるようになったのか」を教えてほしい

今回はPOD機ばかり見てみましたが、

業界大手のK社C社F社それぞれ展示会でもカタログでもサイトでも、

スペックや機構の素晴らしさを延々と語っているが、

結局何ができるようになったのか、についてはよくわからない。

そもそも、POD機とはなんぞやという説明は

メーカーはする必要性すら感じていないのだろうか。

HPのサイトを見てたいがいわかりにくいと思っていたのに、

これが一番わかりやすいレベルだったという結果…。

(HPはPOD機ではなくデジタルオフセット印刷ですが、

このデジタルオフセット印刷という言葉も乱用されていて意味がぶれています)

新しい機械になって

100%でないデータのアミ点になる現象が改善されたとか、

ベタがムラにならなくなったとか、

そういったわかりやすい実務上のメリットを提示するメーカーがあってもいいのに。

興味のある方には、この記事はとってもわかりやすいです。

オフセットとデジタルオフセット(HP社Indigo)の違い 「インクの解釈訂正偏」

八戸という本州の端で、まさに日本の先端をいくようなサイト運用。

2014年から更新されていないのが非常に心配ですが…。

結局、成果物の能力の差でしかないという厳しさがある

冒頭の写真は、昨年非常に話題になったEPSONのPaperLab

「オフィスで紙を作る」というものすごくわかりやすいイノベーションで

展示会場でも一社だけ、文字通り黒山の人だかり。

事業化にはまだまだ時間が掛かるのでしょうが、

こういうイノベーティブな製品にはぜひ頑張って欲しい。

結局、紙に何かが刷ってあるのが印刷物で、

その過程なんて一般の方はほとんど興味が無い、というかどうでもいいんです。

「きれいになりました」「丈夫で長持ちです」くらいでしょうか。

最終の成果物にどこまでのクオリティを求めて、そのためにどのような手段を取るのか、

企画者の判断に大いに委ねられるところです。

情報が多く整理されていないからこそのチャンスというのは存在する

この技術とこの技術をを掛けあわせることで

こんなことに応用できる、といった結果新たな分野が生まれているのも事実です。

必要なのは機械を正確に動かすことではなく(それは専門職に任せて)

全体のビジネスを構築する広い視野を持つということ。

今まででは考えられないような大規模な仕事でも

少人数でこなせるのがITの強みであり、

実はその恩恵を一番受けているのも印刷業界です。

ただし受注産業であることの呪縛からは逃れられないので

これでいく!という柱を建てられるのであれば早くBtoCにも進出したほうがいいとは思います。

IT会社でも一緒ですよね。

受託開発からスタートして、WEBサービスを作るようになる流れ。

ソリューションは自分でしか見つけられない

特に印刷業では、展示会だろうがDMだろうが、

溢れまくっている言葉、ソリューション。

でも、ソリューションパートナーって言うなら

自分でその事業やったらええやないかといつも思ってしまいます。

責任をもって自分の問題を解決できるのは自分しかいません。

カタカナを連発して凄そうにしているプレゼンを横目に見ながら、

自分のところだったらこう活かせる、自分だったらこう使う、など

委ねるのではなく利用するという感覚で周囲と付き合うことが大切です。

私は業界外から来たのでこんな感想を持つのですが、

文具のほうがコンシューマー向け商品を作っている分

商品の説明や事業の形はわかりやすいなとは感じています。

印刷業でも、誰にでもわかりやすい、情報を整理して伝えられるようになったところが

勝っていくのではないでしょうか。

ABOUTこの記事をかいた人

アバター画像

株式会社ロンド工房 クリエイティブディレクター。商品の企画、製造、営業を行っている。てちょけん会長、ステラボP、K3事務局長など。