大阪DTPの勉強部屋さんが主宰されています。
「写植の時代展2」を見にスタッフと大阪天満のメビック大阪に行ってきました。
このレンズで文字を印画紙に透過します。
レンズの太さは級数(文字の大きさ)。
活版と違い、一種類の文字盤から様々な大きさや
斜体、長体をかけられる秘密がこれです。
下から光をあてています。
光量も調整できます。写真と一緒ですね。
文字盤。様々な種類のフォントを置き換えられます。
でもこの中から文字を選び出すのも大変そう。。。
写植の理屈も全く知らない中で行った展示でしたが、
とても楽しめました。
写植機を見ると、
NHKの朝の連ドラ「カーネーション」で
糸子がミシンに固執していたのと同じ雰囲気を感じます。
「これさえあればなんでも打てる!」
「さぁ、何を書いてやろう!」みたいな。
実際はオペレーターと作家、ライターは別なので
ワープロ普及期と比べると全然雰囲気は違うのでしょうが、
機械と人の距離感がゆったりしていた頃の良い思い出に見えました。
(級数=レンズの太さ 送りの単位が「歯《歯車の!》」とか。 )
あと、個人的にはずっと壁に張り出されていた
写植NOWの文章も面白かった。
写植とは何か、
木版からの流れが分かりやすく図にまとめられていたし(撮り損ねた)
印刷という事業にかけてきた上り調子の時代の息吹がそこにあって、
人が人に思いを伝えるために、
これだけの苦労と手間と時間を使ってきたんだなと実感。
そりゃこれだけ簡単に独り言をつぶやいて共有できる時代になれば、
あまり考えずに物事を書いたり言葉にしたりしてしまうわね。
だって、写植機に入稿してから訂正なんて
作業工程考えるだけで悲惨なものがありますからね。
一生懸命考えて、慎重に物事を進めなくては成らず、
またそうすることが当たり前だった時代なのでしょう。
(ひょっとしたらそんなトラブル日常茶飯事だったのかもしれませんが。。。)
また、併設で 開催されていた「文字の食卓」の展示も良かった。
フォントに対する有り余る情熱が遺憾なく発揮された文章達。
文字に対してこれだけ語れるなんて。。。圧巻です。
このパネル、写植の時代展2のパンフレットにも載っています。
DTPしか知らない我々のような世代のデザイナー、クリエイターは
是非一読を。フォントへの造詣、愛情が深まること請け合いです。
たくさんの展示を見て、
「言葉」を大切にしていこうと改めて思いました。
一所懸命に考えて、まとめて、残して、繋げていく。
あえてブログを再開したのもここに理由があります。
今の時代だからこそ、きちんと思いをアーカイブしていきたい。
毎日できるだけ自分と向き合って、文章にしていきたい。
展示は明日まで、入場は無料です。
とっても楽しいです。ぜひ。