10年後に残る仕事、残らない仕事〜pepperの導入事例を見て



画像はマイナビニュースからお借りしました。
1,000台の「Pepper」を導入するネスレ日本の狙いとは?
週刊日経トレンディでも特集されていましたが、
家庭用ロボットとして発売されているソフトバンクのpepper、
ネスレの販売員として積極的に導入が始まっているようです。
pepper本体の価格は約20万円ですが
クラウドの利用料や保険などを込にすると、
約100万円強の価格になるそうで、
家に置いておくのはなかなかハードルが高いですが、
販売員給与として考えると劇的に安い。
一年間使えたら月給8〜9万円で休日なし、残業代もなし。
これで売上が変わらないか、むしろ客寄せ効果で上がるのであれば
接客業って一体なんなのだろうか、と考えさせられてしまいます。
すごく身近な雇用である、パートやバイトの接客業が
10年後にはまるっと無くなっていてもおかしくはありません。
例えば、大手スーパーのレジなんか
みんなpepperになって、緊急対応用に社員が1名いれば十分かもしれないし、
飲食業や、コンビニだってそうかもしれません。
そうなって初めて、ラッダイト運動みたいなのが起きるのかもしれませんが、
この流れに抗うことは難しいでしょう。
自分の時間とスキルを使って
他の誰かに付加価値を提供することが仕事であるのならば、
これから付加されるものが普遍化されていく価値であれば
ニーズが無くなっていくのは仕方ないのでしょう。
では、どこに付加価値を見出すのか。
私の思うキーワードは「感情」ではないかなと。
人口が減っていく今の日本では、
人と共に過ごす「何か」が急速に広がっています。
ペットであったり、ロボットであったり。
ペットは同じ動物なので感情の共有はしやすいのかもしれませんが、
ロボットの開発も明らかにそちらの方向に向かっています。
例えば、株式市場においても、どんなにシステムトレードが進んでも
人の関るところでの不安や期待で価格が上下することに変わりはありません。
全ての産業において、
人という存在の不安定さに依存するところは大きく、
そしてその不安定さの多くは感情によって生み出されています。
冒頭の接客の話に戻ったとして、
ロープライスの店ではそれで良くても、
ちょっと気の利いたレストランやホテルなどには
人のきめ細やかなサービスは必要だろうし、
町の小料理屋にはそこに集う人のコミュニティが生まれる。
そこに介在しているのも心地よいという「感情」です。
人の感情にどれだけ訴えかけられるビジネスを起こすことができるか。
ビジネスの中で、どれだけ人の感情を豊かにすることができるか。
できるだけ常に気にかけておきたいポイントですね。

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ABOUTこの記事をかいた人

クラハイト合同会社CEO  中小、ベンチャー、ひとりメーカー向けTIPS情報メディア「monotips」の編集長。ものづくりメーカーの経験を活かした、ベンチャー、中小、個人メーカー、企業の業務改善コンサルティングを行なう。株式会社ロンド工房のクリエイティブ・ディレクターとして、皮革製品、文房具、雑貨の企画、製造、販売も行なっている。