歴史小説で大義名分について学んでみる

いつの時代も人を動かすのは人の熱いメッセージということで。

ITの時代になって情報が溢れると、人はより感覚や雰囲気に影響されるようになる

トランプ大統領が就任して、
就任前と全く変わらない言動で突っ走っております。
アメリカの分断が叫ばれていますが、
結局大統領になったということは民主主義の土俵の上で
戦って勝てたということで。
そして、多くの人に支持されたということはやっぱりそれなりの理由があります。
「Make America Great Again!」
就任演説で語ったことは、数字や事実から見たら意味不明なことだったとしても、
それが多くの人に刺さってしまうという事実も存在したわけで、
やっぱり大切なのは大義名分なんだなと再認識しました。
「あいつなら仕事をくれるぞ」とか。
今後世界がどうなるかとは別に、選挙に勝ったという事実は検証しないといけないでしょう。

大義名分を争ったのが、戦国時代の家康と三成

どんな時代でも、戦争を行って勝ったら
「どうしてこの戦いを行ったのか」「負けたやつがいかにひどかったのか」などを
大々的に発表し、自分の正当性を主張します。
それがうまくいかないと、明智光秀のように三日天下になってしまうし、
「主君の敵討ち」という錦の御旗を持った秀吉はその後太閤にまで上り詰める。
どんな時代でも、人を動かすのはそのための動機が必要です。

これを争い続けたのが、関ヶ原で戦った徳川家康と石田三成。
この戦い、実は関ヶ原の戦いが行われた時点で家康は相当追い込まれていて、
三成はあと一歩のところまで追い込めていたという話が
堺屋太一さんの小説に描かれています。

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堺屋 太一
毎日新聞社
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天下分け目と言われる関ヶ原の戦い。
秀吉死後の実力では圧倒的だった家康が、こんなリスクのある戦いを望むわけもなく、
この場を作り上げ、引っ張り出してきた三成のプロジェクト遂行力に
焦点を当てた作品です。

人を動かすのは大義名分で、それを伝えられるのは熱い思いしかない

この小説は、太閤がなくなってから関ヶ原の戦いが起きるまでの2年間に焦点を当てた
非常に狭い時間軸の中で何がおきたのかを描いています。
本来であれば秀吉の子飼いであり五奉行として政治にあたっていた三成が
秀頼を立てて後継していくのが筋であるはずなのですが、
為政者として理想に厳しすぎたため古参の大名たちから嫌われている。
そこに目をつけた家康が巧みに調略をしかけていくというのがストーリーです。

もともと大名の力関係で言うと三成と家康は19:250と圧倒的に不利。
まして役職も奉行と大老というランクの違いがあり、
いくら筋を通したとしても三成は不利ではあります。
しかし、最終的に関が原で別れた東軍、西軍の陣容を見てみると
大義のある西軍にも多くの有力な武将が加勢していることがわかります。

関ヶ原の戦い前後の主な大名の石高〜戦国探求

なぜその行動をとるのか。こじつけでもその理由を力強く話し続けることで、「そんな気がしてくる」という状態になる。

人間は感情の生き物で、非合理的な行動も数多く取ります。
このあたりがAIと人間の大きな違いです。
また、その感情は様々に変化しながら人から人へ伝播していきます。

少し時代が下り、
家康が大阪の陣を起こした「国家安康、君臣豊楽」の鐘なんて完全にこじつけですが、
それでも言い訳や大義がないと人を動かすことができなかったのです。

今のプロジェクトや仕事がうまくいっていないなら、
一度立ち返り、その行動原理が弱いのではないかな、と疑ってみることが
結局は解決の一番の近道となるのでは、と感じています。
情報過多で取捨選択に疲れた世の中では、強い言葉が伝わりやすい。
ただし、そこにプラスもマイナス両方の感情をまといながら広がるので
あまり強すぎると疲弊もしますが。

自分で自分の立ち位置を定期的に見直してみる。
人が何に対して大きな義を感じて動いてきたのか、
歴史小説はそのヒントを教えてくれる貴重な材料になりますね。

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